理想の間取りに辿り着くには3回家を建てる、とも聞いたことがあります。中古に住むことで「1回目」を経験することにしてみました。その判断から3年、今振り返ってみると…。
今は猫を飼っています。猫が柱に悪戯しようが畳を傷つけようが「そのうち建て替えるし」と寛容になっています。うちの場合は猫ですが、小さいお子さんがいるご家庭にも当てはまるのではないでしょうか。建てたばかりの新品を傷つけられるのはやはりショックですよね。一旦思い入れのない状態で生活を始めて悪戯しない年齢になったころに綺麗にする、というのが合理的なのかもしれません。
先入観を捨てることで選択肢は広がる
間取りや暮らし方は考えずに購入物件を探すとなると、大事なのはほぼ「場所」だけとなります。場所の条件は、私が都内への移動が頻繁にあるので新幹線駅に近い(できれば徒歩圏内)こと。あとは予算内であれば、ということで選択肢は多くありました。予算は10年後に建て替える分を見越して一般的な住宅購入予算の半分程度としました。特に長野県では「家は建てるもの」という感覚が根強く、中古住宅の需要が少なく良い物件が多くありました。
先入観である「家は新築するもの」という軸を捨てることで選択の幅は広がりました。自分にとってさほど大事ではない先入観や“常識”で選択肢を少なくしていないか、考えたほうが良いかもしれません。
結果、新幹線の駅から徒歩10分の中古住宅に、駐車場用として別に土地までついている物件を購入しました。建物の築年数は私たちの年齢より上、しかも間取りがかなり広いためか半年以上買い手がつかなかったような物件でした。
ただ、売主さんが転居後に水周りのリフォームや壁紙の張り替えをしていたためそのまま住むことができました。契約前に自費で建物診断(ホームインスペクション)を入れたところ、基礎もしっかりしていて10年で建替えるのはもったいないほどという裏付けが取れたので、私達にとっては文句のない物件でした。