念のため言っておくが、教育資金贈与信託の場合、Aさんのケースのみずほ信託でなくても配当率は似たり寄ったりだ。メガバンク行員がこう明かす。
「教育資金贈与は、政府が音頭を取って導入したから作ったもので、多くの銀行にとっては収益につながらない商品です。まとまったお金を預けてくれる機会があることで、一般にはなじみの薄い信託銀行にとって『新規のお客様』を開拓できるメリットはありますが、管理手数料や事務手数料が無料のケースも多いし、実際にお客様が教育費として引き出すときにも引き出し手数料は取れない。手間だけかかって、儲からない商品なのです」
Aさんは「こんなハガキを印刷して送るのにも100円くらいかかっているのでしょう。599円の収益のお知らせのためにそんなコストがかけられているのもバカらしい。早く利回りが上がればいいのですが」とも語る。しかし、日銀の黒田東彦総裁でさえも、そんな日がいつ来るのか見通しさえ立てられないのがこの国の現実なのだ。