FX(外国為替証拠金取引)を手がける個人投資家に激震が走った──。9月29日、金融庁がレバレッジ上限の引き下げを検討していると日本経済新聞が報じたのだ。
FXは米ドルなど外国の通貨を売買することで利益を得る取引だ。レバレッジをかけることで手元資金25倍までの金額に相当する取引が可能で、少ない元手で効率的に利益を狙える投資として口座数を伸ばしてきた。しかし、報道通りレバレッジ上限が10倍程度まで規制されれば、このメリットが大きく失われてしまうことになるだろう。
現在のレバレッジ上限は25倍で、4万円の資金があれば最大100万円分の取引が可能だ。これが10倍に抑えられてしまうと、4万円で最大40万円分の取引しかできなくなる。これまでFXで何人もの「億り人」が誕生したが、今後はこうした大成功は難しくなってしまうかもしれない。個人投資家でカリスマFXブロガーである羊飼い氏は、レバレッジ規制が実施された場合の影響についてこう説明する。
「株式投資の信用取引では実質3倍までしかレバレッジをかけられないので、10倍もあれば十分だろうという理屈なのかもしれません。とはいえ、個別の材料が出れば1日に10%ぐらいは簡単に動く株に対し、平時の米ドル円は1日で1%も動きません。FXではレバレッジがある程度かけられないと、まとまった利益を出すのも難しくなるでしょう」