お金には「色」をつけるべき
そのため、「老後まで絶対に引き出さないお金」の運用先として、この制度を利用することをおすすめします。例えば現在40歳で、退職金とは別に老後資金をあと1000万円作りたいという目標の人の場合、毎年50万円(20年間)この制度で積み立てる──といった具合です。
このケースでは、所得税率が10%の場合、住民税(10%)と合わせて年間で約10万円の節税効果があります。元本保証で運用して利回りがほとんどなかったとしても、年間で拠出した金額の20%の利回りが得られるような効果が出るのです。税金をたくさん支払っている人はこの制度を活用してぜひとも節税したいものです。海外で働く高収入ビジネスパーソンは似たような制度を活用して節税していることが一般的です。
結婚資金、マイホーム購入資金、子供の教育費など、まとまった金額が必要で「近い将来使う予定のあるお金」はNISA(少額投資非課税制度)など取り崩しのルールが緩やかな別の税制優遇制度を活用し、毎年の旅行など「すぐに必要だけどプールしておきたいお金」は金融機関の通常の口座などを利用するなどし、お金に色を付けて、目的に合わせて上手に制度を使い分けるとメリットを最大限に享受することができます。
◆はなわ・ようこ/ファイナンシャル・プランナー、CFP認定者、1級FP技能士。青山学院大学国際政治経済学部卒業後、外資系投資銀行に入社。退職後、FPとして独立。『夫婦で貯める1億円!』『貯金ゼロからでも大丈夫!夫婦で一生に必要なお金がしっかり貯まる本』『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』など著書多数。http://yokohanawa.com/index.html