中国本土の環境エンジニアリング関連銘柄が急騰している。10月16日の終値ベースで聯泰環保(603797)、徳創環保(603177)は2営業日連続でストップ高、上海洗覇(603200)、環能科技(300425)、中環環保(300692)などは2営業日で10%以上、上昇している。
要因は政策にある。これから冬場になるが、中国の中部から北部にかけての主要都市では、暖を取るため各家庭に熱水を供給している。そのために、石炭の燃焼量が急増し、その煙がPM2.5の発生原因となる。当局ではその排出量を調整する政策が打ち出されている。
環境保護部は関連市、省、部門と連名で8月21日、「北京・天津・河北省及び周辺地区2017-2018年秋冬大気汚染総合治理攻堅行動方案」に関する通知を発布した。これは関連する2市、26都市(“2+26”都市)の政府、石油開発、電力、石炭、化学工業、鉄道などの関連企業に対して、目標、期限を決めて、大気汚染物質の放出を制限させるといった内容である。
決められた期限は、各地で暖房が必要となる直前の10月末。北京、天津、廊坊、保定では“石炭燃焼禁止区域”を設置する。さらに、北京市では30万世帯、天津では29万世帯、河北省では180万世帯、山西省では39万世帯、山東省では35万世帯、河南省では42万世帯に対する熱水供給のエネルギー源を、石炭燃焼ではなく、電気もしくは天然ガス燃焼に転換させる。