10月12日の上海証券報によれば、すべての地域で目標を達成したという。それに伴い環境プラント工事が急増したという見方から、関連銘柄に資金が流入したのであろう。
下半期の成長率は7.0%に達する可能性
その他の環境関連政策としては、大気汚染防治行動計画がある。これによれば北京・天津・河北省、長江流域、珠江デルタでは2017年には、2013年比でそれぞれ25%、20%、15%程度、微小粒子状物質の濃度を低くしなければならない。例えば、北京では微小粒子状物質の年間平均濃度を1立方メートル当たり60μg(マイクログラム=100万分の1グラム)前後に引き下げなければならない。2017年1-8月の平均濃度は同60μgで8月単月では同38μgまで下がっている。ただし、冬場は環境汚染が激しくなることから、北京市政府には大きなプレシャーがかかる。こうした状況は、河北省でも同様であり、冬場を通じて環境関連投資が増えそうである。
中国はインフラ設備投資を拡大させているが、それは今年に限ったことではない。ミクロ面から見れば、政府が供給側改革、環境保護政策を強化し、その成果が出ているので景気は下支えされている。
中国人民銀行の周小川行長(総裁)は15日、ワシントンで開かれたIMF・世界銀行年次総会に出席、G30(世界30カ国の民間有識者からなる国際金融 を主体とした啓蒙機関)国際銀行業検討会において、「中国経済の見通し」について講演した。今年の成長率は幾分回復しており、上半期は6.9%で下半期は7.0%に達する可能性があるなどと述べている。