野党が勝手に自滅していくという茶番に満ちた不思議な総選挙が幕を閉じた。そんな奇妙な選挙戦の中、日経平均もまた不思議な値動きを見せた。一般的に選挙後に「ご祝儀相場」といわれる株価上昇局面が起きるが、今回は選挙中から株式市場が活況を呈したのだ。
選挙戦で優位が伝えられた安倍晋三首相ら与党幹部は、「現政権の経済政策が支持された」と胸を張ってみせたが、そうではない。
早期解散説が浮上した9月中旬から株価は急騰し、9月19日には日経平均株価が2万円台を回復。その後、小池百合子・都知事率いる希望の党が世間の脚光を浴び、政権交代機運が一時的に盛り上がったが、それでも株価の上昇は止まらなかった。総選挙公示翌日の10月11日には21年ぶりの高値をつけ、24日には歴代最高を更新する16連騰も記録している。
この間、日本は「政治空白」状態にあり、しかもその間に希望の党への期待が一時的に高まり、その後急速に萎むという状況で、世論の風向きは目まぐるしく変わっていた。要は政権がどこであれ、株価は上がり続けたということに他ならない。
政治状況に関わりなく、株式市場は上昇気流に乗っているといえる。