日本株の上昇基調が止まらない。日経平均株価は21年ぶり高値を更新し、10月23日には歴代最高となる15連騰を記録した。とはいえ、個人投資家からは「ここから買っても高値掴みになるのではないか」という不安な声も聞こえてくる。今回はカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、「日経平均株価の今後の見通し」と「意識すべき目標価格」について解説する。
* * *
はじめに、今の日経平均株価がどういった状況にあるのか、ということに関して私が意識しているポイントを2つお話させてもらいます。
1つめのポイントは、「買いポジションに対する戻り売りが限定され、青空天井の状態にある」ということです。
日本がバブル景気に沸いた頃、日経平均株価は3万8957円にまで達しましたが、その頃、日経平均の指数が取引できる商品は、日経平均先物しかありませんでした。先物取引の場合はSQといって3ヶ月、半年後の清算日が決められていますので、仮に3万8000円台の「買い」を持ったとしても、とっくの昔に決済されてしまっています。つまり、当時、日経平均先物において保有されていた2万、3万円台の「買い」は今、存在しないということです。
その後2010年12月に「くりっく株」の日経225証拠金取引が開始されました。こちらの場合、決済期限はありませんが、2010年11月以降における日経225証拠金取引の最高値は2015年6月の2万967円です。
ですから、2万967円を上抜けた現在、過去に保有された買いポジションは、日経平均先物と日経225証拠金取引を合わせても、2万967円以下の価格のものしか存在せず、買いポジションに対する戻り売りが限定されると考えられます。