内閣府による「高齢者の健康に関する意識調査」(平成24年度)では、最期を迎えたい場所を「自宅」とする人が54.6%に上った。“自宅の畳の上で息を引き取る”というのは、今も昔も変わらぬ理想の最期のようだ。
ただし、持ち家を終の住みかにする場合、「維持費がかかる」という問題点がある。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんが語る。
「戸建ての場合、ローンを完済していても、固定資産税のほかに屋根などの修繕費が必要になります。庭の草刈りも老体にはきつく、外注すればそれも出費に。家の修理代や家電の買い替え分とは別に、維持費は余裕をみて年間20万円は取っておきましょう」
持ち家でも、マンションの方が維持費は少なく、毎月の管理費と修繕積立金ですむ。しかし問題は金銭面だけではない。「そこで安心して死ねるか」という問題もある。高齢社会の問題に詳しい評論家・樋口恵子さんは言う。