そう考えていくと、「4万円」も決して絵空事ではないようにも思えてくる。「景気は気から」の言葉もあるように、日本人の投資スタンス次第かもしれない。マーケットバンク代表の岡山憲史氏はこう指摘する。
「日経平均が上昇しているとはいえ、トヨタや三菱UFJのような代表的な銘柄は上がっておらず、裾野が広がるのはまだまだこれから。今回の株高で塩漬け株をようやく売れるようになった相場に乗り切れていない個人投資家や、株に関心の低かった層が本格参戦し、緩く長く上がり続ける本格的な株高はこれから始まる」
〈相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく〉という相場格言がある。悲観と懐疑が漂いながらも評価が上昇している現状は、その先に幸福感が待っている状態なのか。「怖くないバブル」はゆっくりと、しかし着々と進んでいる。
※週刊ポスト2017年11月10日号