北朝鮮以外にも考慮すべきリスクはある。史上最高値が続く米国株を牽引しているのは「FANG(*注)」と呼ばれるIT系4社だが、彼らへの期待感が剥落するリスクがある。
【*注/フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの4社のこと】
「かつてのITバブルのように下落に転じる可能性がある。米国では株価指数に連動するインデックスファンドが主流で、少しでも株価が下がると売りが売りを呼ぶ展開も予想される。あるいはAIによる超高速取引のシステムが暴走して瞬時に株価が暴落する『フラッシュ・クラッシュ』も過去に起こっている。そうなると証券会社の破綻が世界的な金融危機に発展したリーマンショックのような事態もあり得る」(同前)
マーケットバンク代表の岡山憲史氏が危惧するのは「国家のデフォルト(債務不履行)」だ。
「1998年のロシア通貨危機や2009年以降のギリシャショックのように、財政破綻のリスクを抱える国家は今もある。財政危機が表面化すれば、ヘッジファンドが資金を一気に引き上げ、米国景気の後退が中国にも及び、米中のダブルパンチで日本株も大きな混乱に陥る。混乱に乗じて北朝鮮がミサイル攻撃してくるようだと、日経平均7000円も現実味を帯びる」
株価暴落の危険性はいたるところに潜んでいる。しかもそれらは、日本の政治や経済が関与しようもなく、もちろん解決する術も持たないアクシデントばかりだ。その兆候だけは見逃さないようにしたい。
※週刊ポスト2017年11月10日号