牛乳瓶に粉末を入れコーヒー牛乳に変身させる『ミルメーク』が、発売50周年を迎えた。給食の定番として人気のあるミルメークは、今現在も多くの学校で採用され、一般家庭用商品はスーパーやネット通販で手に入れることができる。懐かしの味の開発秘話を紹介しよう。
『ミルメーク』と聞くと、学校給食を思い出す人も多いだろう。だが、全く知らない人も多い。それは、『ミルメーク』の採否は、地方自治体の教育委員会が設置する献立作成委員会が決めているからだ。毎年出荷する地域が変動するため、認知度をめぐってネット上で大論争になり、『ミルメーク分布図』が作られたこともあった。
『ミルメーク』の製造販売を行っているのは、名古屋にある大島食品工業。昭和23年に医薬品メーカーとして創業し、昭和30年代には食品部門に進出。紡績工場や自衛隊、病院などに給食を提供するようになった。
『ミルメーク』開発のきっかけは、学校給食で提供されていた牛乳の、脱脂粉乳からビン牛乳への切り替え。飲みなれない牛乳をおいしく飲めるようにと、栃木県の学校給食会から依頼されたのだ。当時は脱脂粉乳の方が、栄養価が高いと考えられていたため、牛乳に足りない栄養素を加える必要があると考えられたのも開発理由の1つだという。