もともと医薬品メーカーだったこともあり、二つ返事で引き受けた。だが、開発当初は栄養素を加えるだけではまずく、甘味を加えても味がまとまらず試行錯誤を繰り返した。転機は、開発担当者が、子供の買ってきたコーヒー牛乳を目にした時だ。インスタントコーヒーとカルシウムを生乳に入れて飲んでみたところ、実においしく、一気に味のイメージが固まった。栃木県学校給食会からも太鼓判を押され、給食に採用。昭和42年に提供を開始すると、瞬く間に全国の学校でも採用されるようになった。
特に、冬場の冷たい牛乳は残す児童が多かったが、『ミルメーク』を使うと残食がなくなり、好評だったという。昭和53年には、紙パック用の液体タイプも開発。牛乳が瓶入りから紙パックへと移行が全国的に始まる前に、液体タイプを開発していたことで、容器の切り替えに売り上げが左右されることはなかったという。
現在、味の種類は8つ、顆粒タイプはコーヒー味のほか、バナナ、メロン、キャラメルなど。商品数は30種類以上にも上る。
一般家庭用商品も人気が高く、蒸しパンや一口ケーキ、キャラメルなど、他の食品メーカーとのコラボ商品も多い。一般家庭用は6g入り20袋/340円で購入できる。また、成分は随時、国民健康栄養調査の結果や要望に合わせて、不足栄養素を配合しているのだという。
カルシウムや乳酸菌、ビタミンC、A、B1、B2など、大人にとっても不足しがちな栄養素が手軽に美味しく摂れる『ミルメーク』は、今も進化し続けている。
※女性セブン2017年11月16日号