そして社会人になっても、営業で訪れた地でラーメン屋の開拓に努め、週末にはわざわざ名店巡りをしているというTさん。ラーメン屋巡りという趣味は、腹を満たす以外に役立たないかと思いきや、そんなことはないようだ。Tさんが続ける。
「仕事でもプライベートでも、初対面の人と会話のネタに困った時、ラーメン屋巡りが趣味だと言えば、『一番好きな店は？』とか『どこか美味しい店知りませんか』といった質問をされるので、それに答えれば良いのです。営業先なら、『さっき、駅前の○○ってラーメン屋でラーメン食べてきたんですけど』とか、帰り際に『ここら辺に美味しいラーメン屋ありませんか？』など、自然に会話ができます。
たぶんラーメンって、会話のネタとして絶妙な食べ物なんだと思います。ラーメンが嫌いな人ってほとんどいませんし、寿司やフランス料理など、本格的なグルメが通う名店だったら、金持ち風で嫌味です。また、B級グルメや居酒屋は、人によってはまったく食いつきません。その点、ラーメンなら会話は自然と盛り上がりますし、気取って話す食べ物でもないので、相手との距離も縮まるような気がします。ラーメン最高です！」
ラーメンの力もあってか（？）、Tさんは会社で順調に出世しているが、唯一最大の悩みはお腹がポッコリと出てきてしまったこと。それゆえ最近は、週末のラーメン屋巡りを自転車で回っているそうだ。
