バイト探しをしてみると、世の中には実に様々な仕事があることに驚かされるが、実際にやってみるとどうなのか? 世の中にようやく「フリーター」という単語が生まれた1990年代から今に至るまで、様々なバイトをしてきた40代男性・Iさんが、自らが経験したバイトについて語る。
「バイトで覚えたことは、バイトを変えると二度と役に立たないものばかりですが、珍しくその後も役に立っているのは、ホテルのベッドメイキングです。仕事内容は風呂やトイレの掃除、アメニティグッズの補充、部屋の掃除機かけなど、多岐にわたるのですが、そこで学んだ“シワが無いようにシーツを綺麗に敷くスキル”は、どこで披露してもとても感心されます。口で説明するのは難しいのですが、コツは“引っ張って差す”です。バイトをやっていた当時はベッド1台あたり1分半程度でできました」(Iさん。以下同)
また、別の意味で学びがあったのは、宅配便の配送センターの荷物の仕分けだったという。
「私がバイトしていたのは宅配便の某大手でしたが、荷物の扱いには驚かされました。今はだいぶ事情が変わっていると思いますが、丁寧さより早さ重視なので、『ガラス・ビン・セトモノ』『こわれもの』『取扱注意』のシールは当時ほとんど無視でしたし、宅配便のバイト現場なのに『天地無用』の意味を知らない人もいました。以来、壊れやすいものは絶対に宅配便で送らないようにしています……」