田代尚機のチャイナ・リサーチ

日中両国の株式市場介入のスタンスはどう違うか?

日中両国における市場介入のスタンスの違いは?

 東京市場では9月上旬を起点に大相場が続いている。NYダウが歴史的な上昇相場を形成しており、グローバル機関投資家のリスク許容度が高まっている。緩やかなドル高円安が進んでいる。また、日本企業の業績見通しが良好である……。数々の好材料が重なっての大相場であるが、その根幹を支えているのは、日本銀行によるETF(上場投資信託)の買い支えであろう。

 現時点で日本がすぐに金融政策を中立に戻したり、正常化を開始したりする可能性は低い。欧米機関投資家が安心して買える環境を政府が作り出している。

 中国でも政府による株式市場への介入が行われており、その影響は無視できない。ただ、中国では金融政策が景気を支えるための金融緩和ではなく、不動産バブル、金融バブルへの抑制に重点が置かれている点で政策スタンスは異なる。国家による株式市場への介入は、株価の安定が目標となっており、急落を阻止するとともに、急騰も阻止するといった姿勢を強めている。

 中国では中央銀行やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のような年金基金ではなく、国家隊と呼ばれる複数の機関がそれぞれ株式を購入している。

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