田代尚機のチャイナ・リサーチ

日中両国の株式市場介入のスタンスはどう違うか?

 具体的には、(1)中央系国有企業への出資母体となる匯金公司(中央匯金投資有限責任公司、中央匯金資産管理有限責任公司)、(2)本来の業務は証券会社に信用取引に必要な資金を貸出すことなどであるが、2015年夏の株価急落時に、金融当局主導により、中国人民銀行などからの借入、自己資金のほか証券会社から吸収した資金も用いて、相場の買い支えを行った証金公司、(3)外貨準備資金の国内運用部門である外貨管理局傘下の投資プラットフォーム(梧桐樹投資プラットフォーム有限責任公司、北京風山投資有限公司、北京坤藤投資有限責任公司)、(4)国家隊の指示で運用している国家隊基金(易方達瑞恵、嘉実信機遇、招商豊慶、南方消費活力、華夏新経済)である。

 それらの2017年9月末における合計の時価総額は4兆4300億元で過去最高となった。合計で1128銘柄を保有しており、本土A株の時価総額の7.23%を占めている。2016年末をボトムに、時価総額比率は拡大している。

 2017年9月末時点におけるセクター別運用比率では、銀行の比率が圧倒的に高く、全体の76.4%を占める。次に大きいのは保険で3.7%、証券が3.3%で、金融セクター全体では83.4%を占めている。大手金融機関は民営化され、公開されているが、そうした枠組みの中においても、国家が資本の面から銀行を支配しようとしていることがわかる。

 そのほか、バイオ医薬、建設内装、交通運輸、公共事業、機械設備、化学工業、鉱業、食品飲料、不動産、自動車、家電、電気設備、電子部品といった順で比率が高くなっている。

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