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年500冊の小説を読む40代女性に聞く 小説は人生の役に立つのか?

 Tさんは、なるべく図書館で借りて、少しでも本代を節約しているというしっかり者。すぐに仕事や生活に役立ちそうなビジネス書や実用書には目もくれず、小説ばかりを読み漁っているという。そこでTさんが得たものは何か。

「積極的に何かを学ぼうと思って小説を読んでいるわけではありませんが、間違いなく自分の人生に小説は役立っています。ミステリーでは、物事の辻褄が合っていないと謎解きが成立しないので、論理的に考える力や洞察力が養われたと思いますし、医師、警官、パイロット、殺人犯など、自分に縁がない世界の職業の人たちの世界を“一人称”で見ることで、思考に広がりが生まれたと思います。

 より具体的に役立つことは、自分が面白いと感じた本を人に勧めて、それが相手の感性にハマると、自分への評価がものすごく上がります。もちろん、それで外すと評価は下がりますが……」

 すでにTさんの部屋はかなりの数の本で埋まっているため、最近では友人や後輩にせっせと本をあげ、“啓蒙”に努めているのだとか。ただ、Tさんの夫はまるで読書をしない人で、Tさんいわく「ついこの間まで、フィクションとノンフィクションの違いを知らなかった」そうだ。

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