米国のトランプ大統領が離日した11月7日、日経平均株価は大幅続伸し、その日の終値は2万2937円60銭と、1992年1月以来25年ぶりの高値を付けた。その後、9日には一時2万3000円を突破するなど、騰勢は増している。現在の上昇相場の先には、どんな展開が待ち受けるのか、海外投資のカリスマとして知られる戸松信博氏(グローバルリンクアドバイザーズ代表)が分析する。
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現在の株高を「実感なき景気回復」などという人もいるが、そんなことはない。実体経済に裏打ちされたものであり、その牽引役は高性能半導体の登場によるIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)といった「第4次産業革命」にほかならない。
さらにシェールガス革命がもたらすエネルギーの供給増と電気自動車シフトによる需要減によって原油価格が低位安定することで、好景気なのにインフレになりにくい状況が続いている。インフレを抑えようとする金利の急激な引き上げも必要ないので、好景気時の低金利状態という株式市場にとって願ってもない環境となっているのだ。
その恩恵を受ける日本企業は過去最高の業績が来期も続く見通しであり、世界的に見て割安な日本株にはまだまだ外国人投資家の「買い」が入るだろう。