バブル以来の最高値を更新した日本市場の株高は、バブル期を知る人々に泡が無限に膨らんでいく時の興奮と、その泡がいつか弾けた時の恐怖を思い起こさせている。現在の上昇相場の先には、どんな展開が待ち受けるのか、産経新聞特別記者の田村秀男氏が分析する。
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今の株高は海外の投機マネーがもたらしている。主要各国の大規模な金融緩和によってだぶついたマネーを投資ファンドが日本株に投入しているのだ。
かつての「いざなぎ景気」を超える景気拡大局面が続き、企業業績も好調なことから日本経済が世界から評価されていると解説する人もいるが、実際には世界的な投機の中に浮かんでいるにすぎない。
だからこそ、何かあれば一気に株が売られて、日経平均もいつ下落してもおかしくない状況にあることを念頭に置いておく必要があるだろう。
懸念材料はいくつもあるが、私が最も危惧しているのが韓国経済だ。年初から10月末までの上昇率を見ると、韓国の株価総合指数は25%も上昇している。史上最高値を更新する米ニューヨークダウは17%、日経平均は12%だから韓国株の上げ幅は際立っている。ITブームからサムスンなどが買われているが、明らかに上がりすぎだといえる。