中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

内定辞退なんて夢のまた夢? 「就職氷河期」時代の女子学生の苦労

 しかし、この手の「ハガキ付き企業採用冊子」には裏がありました。当時、男子学生にはこういった冊子は何種類か送られてきていたのですが、女子学生には届かないことが多かった! 国立や私立の有名校の女子学生には届いていたものの、中堅以下の私立の女子学生にはこういったハガキ付きの冊子が送られていなかったのです。

 いや、有名私立の女子学生にも届いていなかったこともあります。私は国立の一橋大学出身なのですが、同期の女子学生・Aさんには届いていたそうです。一橋大学のサークルは津田塾大学、東京女子大学とのインカレが多かったのですが、ここで明確な差があったとAさんは振り返ります。

「私のところにもリクルートブックは来ていたけど、インカレサークルに入っていた津田、東女の子はけっこう大変だったみたい。こういった冊子が届いていない場合もあったようです。早稲田や津田の女子って『この大学に入ったんだったら私は当然総合職よね』と考えるんだけど、当時の男女格差は激しくて……。その中でも一般職に行かざるを得なくなった子や、バリキャリになるつもりだったのに、実際は中小金融の制服組になって打ちひしがれていた子もいた。本当にあの頃は有名女子大に行っても男女格差のせいで就職は大変だった……。

 ただし、一橋の場合は総合職以外は考えられない状況だったから、そこは逆に学内でその座の奪い合いになってけっこう厳しかった。当時、男女の採用数が明確に書かれていたもの。たとえば『男性80、女性20』みたいなのがはっきりと書かれていた。しかも女性で言えば『0』とか『1』もあり、これを見ると絶望的な気持ちになった」

インカレサークルに入るかどうかが死活問題

 私の知り合いの聖心女子大出身者は早稲田大学のインカレサークルに入っていました。これが非常に重要だったそうです。早稲田の男子学生から「リクルートブック」で使わなかったハガキを片っ端からもらうのです。

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