公的保険制度の“悪用”はヒルドイドに限ったことではない。
「肝斑と呼ばれるシミのような皮膚疾患の除去治療をレーザーで行うことがあります。その治療を『シミが取れる』と謳い、疾患ではないシミやホクロの除去治療を、保険で行っている医師もいるようです」(医療法人嘉健会思温病院理事長・狭間研至医師)
内服薬でも美容目的の処方が行われていると薬剤師の吉澤恵理さんが言う。
「美白効果が期待されるトラネキサム酸やビタミンCの内服薬も医師が無理矢理病名をつけて、保険適用にして処方することもよくあります。ヒルドイドも含めて、これらの薬は、ドラッグストアで類似品を購入することも可能ですから、不用意に保険を使わずに、自費で購入していただきたい」
一部のモラルなき患者や医師の行動で、病気に苦しむわが子が充分な治療を受けられないとなったら、どんな思いを抱くだろうか。病院へ行く際は、そのことをもう一度思い出してほしい。
※女性セブン2017年11月30日・12月7日号