今や野球やサッカーと並ぶ人気スポーツの代表格に成長したフィギュアスケート。日本スケート連盟によればその競技人口は約5300人。10年前と比べると2000人近く増えているそう。満員で入会を断られたり、退会待ちの予約まで一杯になっている教室もあるほどだ。
競技人口の増加に比例し、トップ層の選手たちの技術は一段と向上した。平昌五輪まで3か月を切った今、男子は絶対王者羽生結弦(22才)と宇野昌磨(19才)の2枚看板が揃い、女子も宮原知子(19才)、本田真凜(16才)、三原舞依(18才)、樋口新葉(16才)、本郷理華(21才)など多士済々。誰が代表入りしてもおかしくないハイレベルな状況である。
スケートの技術以外で、自分をどう魅せるか
かつてないほど、多くの才能豊かな選手が育っている背景には、環境の充実や、技術の進化がある。もともと、日本はロシアに比べて気温が高く、スケートリンクの環境も劣悪だった。元フィギュアスケーターで現役時代にグランプリ(GP)シリーズNHK杯優勝などの実績がある中野友加里さんは、こう振り返る。
「私のかつての練習拠点だった名古屋市の大須スケートリンクでは一般入場者が滑っている中で練習していました。フィギュア人気が高まるにつれて、大学のリンクが整備されるなど、環境整備が進みました」