昔に比べて美味しさが増しているコンビニ食。三つ星からビブグルマンまで、名店のシェフたちが好んで食べるコンビニ食もあるかもしれない。「ミシュラン店のシェフが好んで食べるコンビニ飯は、安くておいしい最強グルメなのでは」──そう考えた本誌記者は、プロが認めるコンビニ飯を知るべく、各店に取材を申し込んだ。
そうした中で取材に応えてくれた1店が、東京・新宿区にある一つ星・懐石料理屋『懐石 大原』だ。調味料に頼らず、旬の素材のよさを引き出すことにこだわる正統派の和食店を切り盛りする大原誠さんが選んだのは、意外にも庶民的な食べ物。
「セブン-イレブンの『こだわりたまごのサンド』が好み。コストを抑えてうま味を出すためには塩加減を強くしがちですが、これは玉子の味がちゃんと出ていて塩味が気になりません」(大原さん・以下同)
お値ごろだが、具材の手の込みようは和食のプロも脱帽。
「玉子の白身を細かく切ってペースト状にしてあり口当たりがなめらか。炭火で軽くあぶると表面がサクッとして食感がさらに豊かになります」