バブル以来26年ぶりの高値を更新するなど上昇相場に沸く日本株市場だが、ここから先重要なのは、いつ下落に転じるかを見極めることだ。日本株投資の「引き際」をどう見極めるべきなのか。マネーのプロに聞いた。
ニューヨークダウが上がれば翌日の日経平均も上昇するように、日本と米国の株価は連動しやすい。逆もまた然りで、米国株が下がれば日本株も下落する傾向がある。米国株下落の兆候から、日本株の売りサインを「予測」するというのは、ラジオNIKKEI記者の和島英樹氏である。
「私が注目するのは米国市場の『ジャンク債ETF(上場投資信託)』です。“ジャンク”という名が示す通り、デフォルト(債務不履行)の可能性が高いゆえに高利回りの社債で構成される投信です。上昇相場では買われますが、下落リスクが出るといち早く売られるので、事前に危機を伝える“炭鉱のカナリア”と呼ばれます」
そのなかでも和島氏が随時チェックしているのは、ニューヨーク証券取引所に上場する『iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF』だ。
「これは2008年のリーマンショック時も、2015年のチャイナショック時も事前に急落していました。取引時に用いる略称『HYG』でネット検索してもチャートが見られるので、注視しておくといいでしょう」(和島氏)