バブル以来の最高値を更新したこの株高相場は、バブル期を知る人々の“感情”を揺さぶっている。泡が無限に膨らんでいく時の興奮と、その泡がいつか弾けた時の恐怖を、同時に知っているからだ。現在の上昇相場の先には、どんな展開が待ち受けるのか、武者リサーチ代表、武者陵司氏が見通す。
* * *
私はかねてから日本株は上がると強気の見方を示してきたが、「そんなことはあり得ない」というのが大方の予想だった。ところが、日経平均は10月には誰も予想できなかった16連騰を記録し、バブル崩壊後の戻り高値を超えてきている。
私にいわせれば、この水準も通過点にすぎず、2018年末までには3万円、2020年の東京五輪までには4万円が視野に入っている。
理由はいくつもある。まず米国企業を中心としたイノベーション(技術革新)によってインターネットやハイテクを中心とした新たな産業革命が進んでいる。これによって米国は隆盛を極め、株高・ドル高が進まざるを得ない。それによってもたらされる円安で日本企業はさらに恩恵を受ける。
何より重要なことは、日本の株価は今までミス・プライシング、すなわち本来の価値に比べて著しく過小評価されてきたことだ。