相続税を「過払い」していたというケースはことのほか多い。どのようにして起こるのか。
まず、控除されるものを申告していなかったというケースが考えられる。代表的な例は葬儀費用。被相続人のお通夜や告別式、読経などにかかった費用は、遺産総額から差し引くことができる。その分、相続税額も安くなるため、すでに払った相続税額からの差額を、還付金として受け取ることが可能だ。
墓石や仏壇、仏具などは非課税財産であり、故人が生きている間に購入すれば相続税はかからない。もし相続税の申告の際、遺産総額の中にそれらを引いていなければ、更正(すでに決定している税額の修正)の手続きをすれば還付金が戻ってくる可能性がある。
だが、相続問題に詳しい税理士の関本秀治氏はこう注意する。
「仏壇や仏具が非課税財産であるため、純金製のものを買って“相続税対策”とする人もいるようですが、最近では認められないケースが増えています。調査官が“これは仏壇ではなく金とみなします”と言えば、それまでなのです」