この特例制度を知らず、要件を満たしているのに土地の評価額をそのまま記入し余分に多額の相続税を払ってしまうケースがあるという。《神保ファミリー》の場合、特例を使っていれば、納める相続税額は69万6000円(348万円と278万4000円)も違ってくる。
土地に絡んだ制度は他にもある。相談者の7割を相続税の還付金返還に導いた実績を持つ不動産鑑定士の藤宮浩氏(フジ総合グループ代表)が語る。
「土地の形が歪な不整形地の場合、評価額は最大40%減額される。線路沿いで音がうるさかったり、日当たりが極端に悪かったりする土地なども10%の評価減が認められる可能性があり、場合によっては数百万円単位の“節税”になる」
そうした減額要素に気づかずに申告し、“過大”な相続税を支払ってしまってからでも対策はある。
「相続税の申告期限から5年以内なら更正の請求(還付手続き)が可能です。該当するかもしれないと思った場合は、不動産評価額の再検証を勧めます」(同前)
※週刊ポスト2017年12月15日号