一度納めた相続税は5年以内であれば更正の請求(還付手続き)が可能だが、年間400件を超える相続税還付案件を手掛ける藤宮氏によると、相談者の約7割が相続税を納めすぎていると判定されるという。
「それだけ相続時の土地評価額が適正でないケースが多いということ。それは、土地評価に精通した税理士が極めて少ないからです」(同前)
過払いは指摘してくれない
相続する土地には評価額が減額され得る要素がある。「広大な土地(土地が広すぎて売却が難しくなる)」、「不整形地(土地の形が悪い)」、「傾斜地」、「土地と道路に高低差がある」、「墓地や火葬場などが隣にある」、「土地の上を高圧線が通っている」、「電車や飛行機の騒音がある」などだ。
その他にも、将来的に隣接する道路が拡張することが決まっている土地や、人に貸していたりする土地は減額の対象となる。
「これらのポイントに当てはまる土地の相続人が、単純に土地の面積に路線価を掛けた金額で相続税申告をすると損することになります。例えば上空に高圧線が通っていると30%あるいは50%評価額を下げられます」(前出・藤宮氏)