12月の日経平均株価は一定価格の幅で上昇や下落を繰り返すレンジ相場の様相を呈しているが、いずれにしても高値圏を推移しており、「いつ下落するか分からない」と心配する投資家は少なくない。カリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、日経平均株価の今後の見通しを考える上でヒントとなる3つの材料について解説する。
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今回は日経平均株価の見通しについてお伝えします。結論から申し上げると、私は「日経平均株価はガラガラ下落しづらい状況にある」と考えています。そしてその根拠として私は3つの材料を意識しています。
まず1つ目の材料は、『日銀のETF(上場投資信託)購入』です。日銀は12月も断続的に1日あたり700億円以上のETF購入を進めています。日経平均株価が2万2000円台にある状況においても、買い続けており、先日は日経平均株価が2万2800円台にある時でもETFを購入していました。
この状況から「日銀は日経平均株価2万2000円台の水準を維持したいと考えている」ということが想定されます。
仮に「日経平均株価が2万円まで下落した時にETFを購入する」という戦略であれば、2万2000円台まで持ち上げるために、さらに資金が必要になるので、「現状の株価を維持し、さらなる高値を目指している」という意図があるのではないか、と考えられます。
日銀は年間6兆円分のETF購入を公表していますが、現状ではその資金のうちまだ約1兆円分程度しかETFは購入されていません。まだ資金的余裕もあるという観点からも、日経平均株価の下落を抑える要因として日銀のETF購入が挙げられるでしょう。