受給開始年齢の引き上げはこれまでもたびたび行なわれてきたように、今後は70歳どころか「原則75歳」も現実のものとなるのだろうか。藤川氏の見方だ。
「年金財政のことだけを考えれば75歳に引き上げることで改善が進むでしょうが、年金がもらえる75歳まで働くというのは現実的ではない。原則70歳受給開始にして、75歳まで繰り上げることもできる、という選択制が現実的ではないでしょうか。
何より年金制度の改正は時間がかかるものであり、現在は下地づくりを進めている段階で現在の高齢者に差し迫っているものではない。実際に動き始めるのは早くても10年先とかそういうタームなので、むしろ危機感を持たなくてはいけないのは30代以下の若い世代といえます。彼らこそ来るべき年金70歳受給時代に備えておく必要があります」
「年金受給は原則70歳、75歳まで遅らせることが可能」となる日が、訪れようとしている。