「よほどの専門性があれば話は別ですが、一般的な仕事では不景気になった時に高齢者が真っ先にクビを切られるのは目に見えています。現役時代と同じような仕事では労働力の調整弁になり得る。どうしてもいつ職を失うかといった不安がついて回るでしょう。
そこで収入を維持しようとしたら、やはり若い人がやりたがらない深夜の仕事が中心になると思います。たとえば外食や深夜のコンビニ、交通整理や清掃員などでしょう。
ただ問題は、それを最長で60歳から70歳までの10年間も続けられるのか。どうしても肉体的にキツイ仕事が多い。だからこそ、その時に備えて、政府にいわれるまでもなく、自らの働き方を考えなければならないわけです」(藤川氏)
年金受給開始年齢の70歳への引き上げはまだ先の話であり、現在の高齢者やこれから定年を迎える50代はその影響を受けない可能性もある。その一方で、現在の40代以下の世代にとっては避けては通れない問題となるだろう。その時、家計の収入をどう確保するか。今から考えておいても決して早すぎることはないだろう。