「一億総活躍社会」に「人生100年時代」と安倍政権が次々にキャッチフレーズを打ち出しているが、その裏にある本音は「死ぬまで働いて欲しい」というものだろう。年金受給開始年齢を70歳以降にするような引き上げ議論も進み、高齢者にとってみればこの先避けようがない事態かもしれない。
60歳で定年を迎えてから5年間は再雇用でなんとか乗り切ることができたとしても、そこまでに十分な貯蓄ができていなければ、年金受給開始までの“空白の期間”を乗り越えることはできない。やはり、65歳以降でも何かしらの仕事を見つけて働かなければならないのだ。
とはいえ、高齢になれば若い頃と違って体力的な限界も出て来るため、できる仕事も限られてくるだろう。あまり体力を使わずにそれなりの報酬がもらえる“おいしい仕事”などあるのだろうか? あるファイナンシャルプランナーは、こう耳打ちする。
「資格があれば一生食いっぱぐれないといわれます。その中でも、資格の難易度と仕事の多さのバランスから、たとえば宅建(宅地建物取引士)などが有力視されます。ただ、実際には仕事はあるけどそれほど儲からない職種かもしれません。
それよりも不動産関係なら、宅建士のような資格が要らない不動産賃貸管理のほうが注目です。業務は、月々の家賃の入金確認や精算、賃貸募集、退去時の処理、エアコンが壊れたとかトイレが詰まったといったトラブルが起こった時の対応といった内容。管理する物件が100戸あれば、家賃が月平均5万円として賃貸管理手数料は月500万円の5%=25万円の月収となる計算です」