2017年3月に政府が決定した「働き方改革実行計画」は、2020年度までを「65歳以降の継続雇用延長」や「65歳までの定年延長」を強化する集中取組期間と位置づけた。すでに65歳を過ぎて働く場合も雇用保険に加入できるなど、高齢者の就業促進が着々と進む。
60代がますます「現役世代」とみなされる中、再雇用や再就職の際に“もらえるお金”を把握しておく必要がある。
■高年齢雇用継続基本給付金
……給料が下がっても補填してもらえる
60代になると同じ会社に勤めていても契約・嘱託社員などになって、収入は50代の6~7割になるのが一般的だ。給与が60歳時点の75%未満に低下した時は「高年齢雇用継続基本給付金」が65歳まで支給される(最大で低下した後の給与の15%分)。
たとえば60歳時点の月収が35万円だった人が再雇用で月収20万円に下がった場合、月額3万円、65歳まで総額180万円が給付される。社会保険労務士の稲毛由佳氏はこう解説する。
「この制度を利用するには、再雇用先の企業がハローワークで2か月ごとに申請手続きをする必要がある。中小企業の場合、制度を知らないことや、申請を忘れることがあるので要注意です」