消費者金融や銀行のカードローンの借入額がかさんでいる人にとって、この冬の寒さは、例年以上にこたえるかもしれない。これまで貸金業者にのみ適用されていた「総量規制」を、自主ルールとして導入する銀行が増えているからだ。
総量規制とは、貸金業者が個人にお金を融資する際、その人の年収の3分の1を超えて融資してはならないという規制のこと(2010年6月施行)。借りる側に立つと、例えば、年収300万円の人であれば、貸金業者から合計100万円を超えるお金は借りられない。貸金業者とは、具体的には消費者金融会社やクレジットカード会社のことで、消費者金融A社からすでに80万円を借りている場合、クレジットカードB社から借りられる限度額は20万円となる。
いままで、銀行のカードローンは総量規制の対象外だった。理由は単純で、銀行は貸金業者に分類されていないのだ。そのため、消費者金融会社やクレジットカード会社からの借入額が年収の3分の1に達している人でも、銀行のカードローンを利用すると、さらにお金を借りることができたのである。
その結果、銀行カードローンの利用者はどんどん増え、全体の残高も急増。全国銀行協会によると、全国116行のカードローン残高の合計は2017年10月末で4兆4324億円となっている。一方、消費者金融とクレジットカード会社を合わせた2017年9月末の残高は4兆895億円。銀行の方が貸金業者よりも貸付残高は大きくなっている。