12月20日、アメリカの議会で税制改革法案が可決された。法人税率が35%から21%に引き下げられることになったが、法案の施行は今後の為替相場にどのような影響をもたらすのだろうか? FX(外国為替証拠金取引)のカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが解説する。
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アメリカのトランプ大統領が公約として大きく掲げてきたことはこれまで何一つとして可決されていませんでしたが、ここにきてようやく「税制改革法案」が可決されました。はたして、今回の税制改革法案は相場にどのような影響を与え得るのでしょうか?
まずポイントになるのは、米国企業が海外に留保している資金でしょう。トランプ大統領は税制改革法案可決の際、「これでアメリカに企業が戻ってくる」と話していますが、法人税率が35%から21%に引き下げられることで、海外に留保された米国企業の資金がアメリカ本土に戻ってくると想定されます。
米国企業が海外に留保している資金の総額は約2.5兆ドル(約280兆円)とも言われていますが、その資金のうち一部でも戻ってくればアメリカ政府にとって貴重な税収源となるでしょう。