首都圏の鉄道の利便性を高めているのが「相互乗り入れ」。同じ列車がJR、私鉄、地下鉄など、違う会社のレールの上を走るという形態は、世界的にも大変珍しいものだが、注意しなくてはいけないのが寝過ごし。「せっかく終電に間に合ったのに、目が覚めたら終点で……」という経験は、酒飲みなら一度や二度はあるはず。都内在住の鉄道マニアの男性(40代)が、首都圏を走る私鉄で、都内中心部から乗った場合の“乗り過ごし要注意路線”を紹介しよう。
【田園都市線~半蔵門線~東武伊勢崎線】
かつての乗り入れは東急・田園都市線だけでしたが、反対側の東武伊勢崎線にも2003年に乗り入れるようになり、“危険度”が一気に上がりました。田園都市線の終点、中央林間は駅前がそこそこ賑わっていますが、東武伊勢崎線の終点となる南栗橋は、降りた途端にいきなり住宅街。途方に暮れること必至です。
【東西線~東葉高速鉄道】
距離的には大したことがないものの、おサイフ的に痛いのがこの乗り越し。東西線で千葉方面に向かうと、終電間際まで、かなりの確率で「東葉勝田台行」がやって来ますが、この電車賃が曲者です。東西線を端から端まで(中野~西船橋)乗っても、電車賃は30.8kmで310円なのに対し、西船橋~東葉勝田台駅間はわずか16.2kmで630円。精神的ショックは甚大です。
【小田急線~千代田線~常磐線】
東京のど真ん中をダイナミックに縦断し、大量の通勤通学客を運んでいるこの路線も、寝過ごし危険路線です。小田急線の終点・唐木田駅は、住民と大妻女子大学の学生以外はほとんど降りることがない街。一方、常磐線方面は、運が悪いと茨城県(取手)まで連れて行かれてしまいます。起きていられるか自信がない人は、電車を1本待って、「代々木上原行き」「綾瀬行き」など、千代田線内が終点の列車を選びましょう。