確定申告の季節が近づいている。原則として確定申告の必要がないサラリーマンでも、医療費が多くかかった翌年は医療費控除の申告をする人は多いだろう。10万円を超えた分の医療費を所得から控除できるしくみで、医療機関や調剤薬局での支払いはもちろん、ドラッグストアで購入した医薬品も対象になる。
とはいえ、医療費控除は医療費の集計に手間がかかる割には還付額は少なく、なかなか割に合わない申告だった。ところが、2018年の確定申告(2017年分)からはこの面倒な作業を劇的に簡略化できるようになる。
従来はすべての領収書やレシートを申告の際に添付して提出する必要があったが、2018年の確定申告(2017年分)からは不要になるのだ。その代わりとして医療を受けた人と、病院や薬局ごとに医療費をまとめた明細書を添付する必要がある。
健康保険から届く「医療費のお知らせ」を活用しよう
これだけだとあまりメリットは大きくないが、この明細書の代わりとして健康保険組合や国民健康保険から送られてくる「医療費のお知らせ」を添付書類として利用できる。「医療費のお知らせ」は加入者と扶養家族が医療機関にかかった日付や医療機関名、医療費の額がリスト化された書類だ。
送付される時期は健康保険により異なるが、協会けんぽであれば2月中旬に勤務先にまとめて送られてくる。今回送付される明細に記載されるのは前年10月から10月までの受診分なので、11~12月分の受診分は自分で追加する必要があるものの、領収書を1枚1枚チェックする手間が省ける。
ちなみに、領収書は提出の必要はなくても、5年間は税務署の照会に備えて保存しておくこととされている。保存がわずらわしいという人は、2019年分の確定申告までは経過措置としてこれまで通り添付して提出することも可能だ。