平成30年度税制改正大綱が閣議決定された。今後、国会を通過すれば4月から順次、施行されることになる。すでに、前年度の税制改正で2018年1月から変更になっているものもあるが、私たちの生活との関連が深い税制の変更をおさらいしておこう。
配偶者控除(2018年1月から)
2017年までは妻の年収が103万円以下なら夫は38万円の配偶者控除を受けられたが、103万円を超えると配偶者特別控除となって控除額は段階的に減少していた。
2018年1月からは、38万円の控除が受けられる妻の年収が103万円から150万円まで引き上げられた。さらに配偶者特別控除も年収201万円以下まで拡大され、控除を受けるため勤務を制限していた人はより多く働けるようになる。
ただし一方で、夫の年収要件が厳しくなった。1120万円を超えると受けられる控除額が減っていき、年収が1220万円を超えるといずれの控除も受けられなくなるのだ。
夫の年収が高いほど所得税率が高いので、控除による節税効果は大きくなっていたが、2018年からは夫の年収が一定額を超えると妻が働き方を調整すること自体に意味がなくなるので注意したい。
賃上げする企業への減税(2018年4月から)
企業の賃上げを後押しする減税もある。3%以上の賃上げや設備投資、人材育成に一定の投資をした大企業には、増やした給与総額の最大20%を減税する。中小企業に対してはさらなる優遇があり、2.5%以上の賃上げなどの要件を満たせば最大25%を法人税額から差し引けるようにする。
この減税策に企業がどこまで反応してくれるかは未知数だが、勤務先の対応に期待したい。