しかし、その考えを変える時に来ている。
「現在の株式市場をめぐる環境はあの時とは正反対です。企業の業績が堅調で、業績に伴って株価が上がっている。バブルではなく、健全な株価形成といっていい。金融政策も日銀は異次元の金融緩和を行なっており、急激な金融引き締めでバブルを崩壊させた当時とは違う。20年間も株価が下がり続けたのだから投資マインドの回復は簡単ではないでしょうが、心配しすぎると大きなチャンスを逃すことになってしまいます」
そう語るのは投資顧問会社「マーケットバンク」代表の岡山憲史氏だ。
株価が適正な水準かどうかをはかる基準として「株価収益率」(PER)が使われる。企業の1株当たりの利益に対し、株価がその何倍まで買われたかを表わす数字だ。これが高いほど“バブル化”が進んでいることを示す。
バブルの最高値の時、日経平均のPERは60倍を超えていた。だが、今年1月9日の2万3849円のPERは約15倍と4分の1にすぎない。日経平均10万円(PER60倍)ならともかく、今の株価はまだまだ低いということだ。
「今年になって2万5000ドル台の史上最高値を更新した米国の株価(ダウ平均)はPER19倍まで買われている。日経平均も米国の株価の“つれ高”で上がっているが、米国並みの水準になるのは日経平均3万400円まで上がったとき。日本の株価はこの先十分な上昇余力があるということです」(岡山氏)
※週刊ポスト2018年1月26日号