「期待感」が「現実感」に変わった瞬間、投資市場は一気に動き出す。昨年までの上昇相場の中で囁かれた「日経平均3万円」という言葉の響きには、いくらかの「希望的観測」が含まれていた。だが、2018年1月4日の大発会の急騰を境に、それは「既定路線」に変わろうとしている。
到達時期が年内なのか、来年以降になるかは意見が分かれるが、日本の株価が「3万円」まで上昇するというのは多くの株式アナリストや市場関係者の共通認識となっている。ファイナンス論と証券投資分析が専門の島義夫・玉川大学経営学部教授が語る。
「国内の個人投資家の信用売買のデータを見ると、売り残高の方が多い。プロの個人投資家たちは“そろそろ株は下がる”と見て売っているわけです。ところが、株価が堅調なのを見てこれまで株投資をしていなかった一般の人が株を買いだした。初心者向きと言われる投資信託の売れ行きが純増していることでそれがわかる。
そのため株価が上がり、売りに回ったプロ投資家は裏目に出た。彼らはこの先投資戦略を転換し、買いに回るはずです。一般投資家の参入とプロの個人投資家の買いによって日本株に流れ込む資金が増え、株価上昇にさらにプラスになる」