長短金利差が逆転すれば急激な円高進行も
また、市場関係者の間では、景気後退や金融危機の前兆とされる「逆イールド(長短金利の逆転)」が、2018年に起こるかどうかが注目されているようだ。
本来、債券は期間が長いほど保有する人にはリスクが高くなるので、期間が長い国債ほど金利が高くなる。ところが、最近の米国債は2年ものの金利は上昇しているのに10年ものの金利は横ばい傾向にあり、大きく開いているはずの両者の金利差が縮まっている。このまま10年ものと2年ものの金利差が縮まっていけば、いずれ逆転することも考えられる。これが「逆イールド」といわれる現象だ。
この逆イールドは2000年前後と2006年前後にも発生している。その後、金融市場に何が起こったかというと、ITバブル崩壊とサブプライム危機からのリーマンショックだ。だいたい、逆イールドが発生してから、1年半ほど後に株式市場が急落し、不況が始まるというのがパターンで、為替相場でも急激な円高が進行している。
レンジ相場で手堅く稼ぐ戦略も
10年債の金利は年明けから急騰しており、足元では逆イールドは遠のいたようにも見える。ただ、可能性がなくなったわけではないし、2017年に金融ショックがなかったことを考え合わせても、警戒しておくに越したことはない。