2017年は値動きに乏しい相場が続いた米ドル円。FRB(連邦準備制度理事会)の利上げや日米の株高など、ドル円が上がる要素に事欠かない中で、明らかなドル安傾向が続いていた。この流れは2018年も続き、上値もかなり重い展開になりそうだ。しかもこの1年は暴落といえるような局面がなかったため、円高へのマグマが相当溜まっており、なんらかのきっかけで円高方向に加速する可能性もある。2018年のドル円相場は、暴落に警戒しながら平時はレンジ相場の上下をコツコツ取っていく戦略がメインになりそうだと考えている。
2018年の為替相場最大のテーマはECBのテーパリング
だからといって、値幅を狙う王道のトレードができないかといえば、そういうわけでもなさそうだ。2018年は、ユーロが脚光を浴びる年になると考えている。
2017年を振り返ると、日本と同様に金融緩和を続けてきた欧州中央銀行(ECB)が、資産購入額の減額に踏み切った。当のECBは「これはまだテーパリング(量的金融緩和の縮小)ではない」と主張しているが、市場はユーロ買いの流れを強めている。
相場というのは現実に大きな変化がなくても、特定のテーマをたびたび蒸し返しては反応するものだ。2018年も引き続き、ECBに対するテーパリング期待は為替市場の大きなテーマとなり、さまざまな思惑が相場を揺り動かすだろう。