そして、早ければ年内にも、本物のテーパリングが現実化すると考えられる。期待が現実になった時、期待以上の値動きになるかどうかはわからないが、強烈なユーロ高がやってくる可能性も考えられる。いずれにしろ、その「Xデー」に向けてユーロは上を目指すと考えられ、FXトレーダーにとっては利益を狙える局面が訪れることは十分期待できる。
通貨ペアはユーロ円よりユーロドルが有利か
こうしたチャンスを逃さないよう、相場は常にウォッチしておきたい。具体的には、ECBの議事録や議長の声明が出るタイミングだ。テーパリングに関してより具体的な文言が入ってくれば、相場を大きく動かすエネルギーになりそうだ。
強いユーロを主役にするトレードをする場合、通貨ペアはユーロ円でも悪くはないが、羊飼いが注目するのはユーロドルだ。ユーロの強さに賭けるなら、より弱い通貨を組ませる方が値幅は取りやすいことになる。羊飼いは2018年の米ドル円相場のトレンドは円高方向と予想しているので、それが現実になれば円よりもドルの方が弱いことになる。ユーロ高による利益を大きくするなら、円よりも弱いドルと組み合わせるのが合理的だ。
もちろん、3通貨の強弱は一定ではないが、常に米ドル円、ユーロ円、ユーロドルの3つの通貨ペアの値動きを見る癖をつけておけば、どの通貨ペアを選べば最も有利になるかはその都度判断できる。円が絡まない通貨ペアには馴染みがないという投資家もいるかもしれないが、ユーロドルをウォッチすることで見える景色が変わり、より有利な取引ができることもあるのでぜひ監視と取引の対象に加えたい。