1月15日、日経新聞が一面で〈ソフトバンク、携帯会社を年内上場へ〉とする記事を掲載した。ソフトバンクグループ(以下ソフトバンクG)が傘下の携帯事業会社であるソフトバンクを年内にも東証1部に新規上場させる方針を固めたと報じられたのだ。
投資情報サイト「IPOジャパン」編集長の西堀敬氏によれば、「昨年新規上場した全90銘柄で、公開価格と上場初値を比較した平均初値騰落率は112%。つまり公開価格で株式を手にできれば、初値がついた時点で2倍以上の利益が出たことになる」というが、ソフトバンク株に関しては、そこまでの大幅な上昇は期待できないと同氏は見る。
「調達額が2兆円と巨額なので、2倍になることは考えにくい。合わせて約1兆4000億円を調達した2015年の日本郵政グループ3社の同時上場の際と同じように、おそらく初値は公開価格を1~2割上回る程度になると考えられます。
とはいえ、2兆円の調達額から推測すると、上場後の時価総額は7兆円規模となり、日本の時価総額トップ20に入ってくることが予想される。そうなると外国人投資家をはじめ機関投資家が機械的にポートフォリオに組み入れざるを得なくなり、そのような買いに支えられて、上場から半年間くらいは値上がりが予想される。初値の3割ほどの上昇もあると見ています」
問題は「その後だ」と続ける。
「携帯電話事業はNTTドコモとKDDIのau、さらには楽天が本格参入を表明していて、今後ますます競争が熾烈化します。先行きは不透明なので、まずは半年程度で3割上がったら売って、利食いするのが得策ではないでしょうか」