証券情報提供会社「メディアストラ」代表の天野秀夫氏は、次のような見方をする。
「ソフトバンクGを売って、ソフトバンクを買う投資家も出るでしょうし、そうなるとソフトバンクGの株価が下がる可能性もあります。
成功イメージとしてはNTTによるNTTドコモの上場でしょう。このときは逆に、『何でドコモなんて買うんだ。親会社のNTTに投資すれば同じだろう』という人が多かった。だが、1月16日現在で、NTTの時価総額は10兆9000億円、NTTドコモが10兆1800億円。合計すると21兆800億円になる。ドコモを上場させていなかったら、NTTの時価総額は20兆円にも届かなかったでしょう。
今後はソフトバンクGの投資会社としての性格が明確となり、その投資行動が売買材料になりやすくなる。一方、ソフトバンクは投資事業と切り離されることで、純粋な携帯電話会社として投資される。それをメリットと考え、私は基本的には『買い』だと思っている」
ソフトバンクGは、「上場は選択肢の一つですが、正式に決定した事実はありません」(広報室)と答えるのみだった。上場は9~11月頃だと見られているだけに買いか、見送りかを判断するにはもう少し判断材料を見定める必要がありそうだ。
※週刊ポスト2018年2月2日号