1月26日、仮想通貨取引所・コインチェックで580億円相当の仮想通貨NEM(ネム)が不正送金された件で、同社は28日深夜、「不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針について」というリリースを発表。約26万人のNEM保有者全員に、日本円で返金すると決めたのだ。NEMの値下がりに伴い補償金額は約460億円とされている。
多くの仮想通貨トレーダーは返金が決まってほっとしていると思うが、記者会見で真っ青になっていた27歳の和田晃一良代表取締役の表情を見ていた人たちからは、「これほどの多額のお金を本当に払えるのか?」という疑いも根強い。同社のホームページによると、資本金は9200万円と記載されている。また、いつ払い戻すかの期日が明記されていないため、不信感もくすぶっている。
これに対し、26日の記者会見に出席していた記者はこう話す。
「『JPBITCOIN.COM』というサイトによると、2017年12月のコインチェックの取引量はビットコイン現物だけで3兆1802億円ありました。差金決済も含めれば取引量1位はビットフライヤーですが、現物取引では同社が業界トップクラスです。コインチェックには手数料(スプレッド)の安い取引所での売買と、手数料(スプレッド)の高い販売所での売買があり、その割合がわからないため大雑把な計算しかできませんが、仮にならして手数料(スプレッド)1%だったとしても、月間300億円の手数料収入があることになります」(記者)
しかも、コインチェックでは、ビットコイン以外のアルトコインの売買も人気となっている。
「同じく12月のアルトコインの取引量は約1兆円でした。アルトコインの手数料(スプレッド)は4%程度あります。そのため、アルトコインの手数料収入だけでも400億円ほどあると考えられるのです」(同記者)