つまり、少なめに見積もっても12月だけで数百億円の手数料収入があったはずで、「すべての仮想通貨取引を合わせれば、多いと1か月1000億円ほどの手数料収入があった可能性もある」(同記者)と指摘する。あくまでこれは12月の1か月だけの話で、昨夏以降から取引量は大幅に増えていたし、今年1月は12月以上の取引量になっていると推測される。
「実際、1月上旬に放送されたテレビ番組内でも、コインチェックの取引量は月間4兆円と明かされていました。そう考えると、想像もしなかったほどの収益を上げていた可能性もあるのではないかでしょうか。もちろん、ここから人件費やサーバー代などさまざまな費用がかかるわけですが、それでも580億円の損害をカバーすることは十分可能だと思うのです。ただ、今となっては記者会見であれだけ真っ青な顔で『検討中です』と連呼していたのは腑に落ちませんね。演技派だったのでしょうか(笑)」(同記者)
コインチェックから業績や財務内容についての正式な発表はまだないためあくまで推測による数値でしかないが、同社が顧客に全額補償するだけの余力は十分にあると考えられる。ただし、金融庁はコインチェックに対して資金決済法に基づく業務改善命令を出しており、「支払い能力を確認できる説明がない」と不安視しているという報道もある。コインチェックはあくまで事業継続することを大前提としているというが、少なくとも今回の件を受けて投資家流出は避けられないだろう。