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年金受給開始時期に注意! ガンガン働く夫婦と低収入夫婦の場合

年金は少しでも損をしないもらい方を選びたい(イメージ)

 1月中旬、大手各紙は政府が近くまとめる高齢化社会に関する大綱案について「70歳以上の年金受給開始を選択可能にする制度」を盛り込む方針だと報じた。「年金博士」こと社会保険労務士・北村庄吾氏が解説する。

「年金受給開始は基本的に65歳からですが、現在、60歳までの『繰り上げ』と70歳までの『繰り下げ』が可能です。繰り上げると早くもらえるものの受給額は減り(1か月ごとに0.5%減額)、逆に繰り下げると増える(同0.7%増額)。今回報じられたのは、それが『80歳まで繰り下げ』を選べるようになるかもしれないということです」

 繰り上げ受給の場合、基礎年金と厚生年金はセットで繰り上げることしかできない。一方、繰り下げ受給は基礎年金と厚生年金のいずれかのみでも可能だ。

「共働き夫婦の場合、『夫の基礎年金』『夫の厚生年金』『妻の基礎年金』『妻の厚生年金』の4つのうち、どれを繰り下げるかという“選択肢”が生まれます」(同前)

 長生きするほど得できる繰り下げは、女性が選択するほうが有利。夫の年金は2つとも65歳から受給し、妻の年金をどう繰り下げるかを考えるのがよさそうだ。

「妻が年上の場合、年下の夫が働き続けられるぶん、妻の年金を繰り下げやすい。妻の基礎年金と厚生年金のどちらの受給額が多いかはフルタイムで働いていた期間によって変わってきますが、年上妻なら多い方の年金を繰り下げることができるでしょう。

 逆に年下妻の場合、妻が65歳になった時、夫婦ともに年金生活に突入するので繰り下げはしづらい。ただし、貯蓄に余裕があるなら、基礎年金か厚生年金の少ないほうを何年か繰り下げてもいいのでは。長生きリスクの備えとなります」(同前)

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