夫婦の収入が少ないなら「妻の繰り上げ」が選択肢だが……
総務省の「家計調査報告書」(2016年)によると、定年後の夫婦に必要な毎月の生活費はおよそ27万円。夫の定年後再雇用での給料が少ないなどの理由で、毎月27万円の生活費が捻出できない場合、年金繰り上げが選択肢となる。
「65歳未満で仕事をしながら繰り上げ受給する場合、年金と給料の合計が月額28万円を超えると年金の一部が支給停止になります。だから働く夫の繰り上げ受給は避けたほうがよい。『妻の年金だけ60歳まで繰り上げ』とすれば、当座の家計の助けにはなる」(北村氏)
ただし、5年間繰り上げれば受給月額は30%減る上に、障害年金や寡婦年金をもらえないなどのデメリットがあるので注意が必要だ。
※週刊ポスト2018年2月9日号